化学よりも物理学の書物を読むときに,より多くの知的興奮を覚える


はっきりいって,私は化学よりも物理が好きだ。物理学というのは,より少ない原理・法則から,自然現象をよりうまく再現できるように,というスタンスを取るのに対し,化学はどうしても各論的になりがちである。化学物質は恐ろしくたくさんの種類が存在し,その性質を,完全に統一的な基礎に立って記述しようとするのには無理があるからである。そのような自然に対するアプローチの仕方は,記憶容量の少ない私には,難しいと感じるためだ。できるだけシンプルで,単純なモデルを使って,少しでも多くの内容を理解しようと努力する方が,私の性にあっているのだ。

私がこの世の中でもっとも苦手なことは,物事を記憶することである。


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