理科好きになった


理学部に入学しようとする者は,何らかの形で理科が好きだ,と思うだろう。しかし,この表現は,正しくない。理科好きだといえば,理科全般が好きなように聞こえるからである。私は,小学校時代から生物が苦手で,生き物の名前など,全く知らない。いまでも,そのへんにいる虫の名前などを子供に訊かれても,よーわからんのである。少なくとも,高等学校時代,生物というのは嫌いだった。その理由を書きはじめるときりがないので,ここでは書かないが,理科全般が好きだったわけではないのである。また,化学よりは,物理のほうが好きだった。どちらかというと,成績は化学のほうがよかったが。

いずれにしても,小学校時代に理科という科目に興味を持ち始めたのは事実で,そのいきさつも本文に書いたとおりである。世間で子供の理科嫌いが問題視されているが,それの解決に対して,もう少し,人間の所作としての自然科学という側面を前面に押し出したような教科書を作るように考えてもよいのではないかと思う。

私個人の経験が,どの程度のヒントとなりうるかは,疑問だが。


「先生,せんせい,セんせ」に戻る