“化学者C助教授の一日”の真相

学園だより第28号 私の研究室

“化学者C助教授の一日”の真相


先を越されて悔しい

人間だれしも自分がめざしていた目標に,他人に先を越されると悔しいものである。ラムゼーとスコットの南極点到達競争ではないが,しばしば研究の分野では最初であることだけに価値があるような研究もある。というより他の人の後追い研究はあまり評価されないのが普通である。数年前までマスコミを賑わせた酸化物高温超伝導体開発のような,先端の応用研究をしている人達は特に大変である。しかしながら,自然科学研究の本質は競争にあるわけではなく,そのオリジナリティにある。かくしてできるだけ人が目を向けない,重箱の隅をつつくような研究に日々勤しむのであった。結局自分の研究の正当化か...


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