学園だより第28号 私の研究室

化学者C助教授の一日

武田 清
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 今日はいつもより早くの散歩に出た。最近はこのおかげで体調がいい。シャワーを浴びて簡単な朝食をとった。運動のあとの食事はうまい。運動をしても体重が減らないのはそのためだ学校に着いた。相変わらずY教授は朝が早い電子メールが来ていた。オランダの共同研究者からだ。新しい化学反応を見つけたらしい。先を越されて悔しいのを押さえながら,祝福のメールを返信した。電子メールはつい最近使い始めたが,実に便利である。M教授の話では,助手のT君とは出張中にも電子メールで連絡をとっていたらしい。

 昼食は弁当だ。娘が早起きして作ってくれた。初めてだが結構うまい。昼食後の腹ごなしはマカレナだ。生物教室のK助手の手ほどきで最近始めた。大学院生といっしょに体を動かすと若返るようだ。それ程年をとっているわけではないつもりだが。

 午後は化学教室セミナーである。このセミナーでは学部3年生から大学院生まで,簡単な実験を題材にした発表を行う。実験そのものは小学校レベルの簡単なもので,それだけでは無意味である。現象の背景にある原理を深く掘り下げるなり,教材化をめざすなり,高いレベルの発表を要求される。大学だから当然だ。今日は私が指導しているNさんの発表だ。彼女は元気のよさではピカイチだが,少しそそっかしい。セミナーまで時間があったので,少しアドバイスをしておいた。自分が指導している学生が担当するときは,いつも気になる。発表は案外うまくいった。本人がほっとしているところへすかさずK助教授が鋭い質問をする。助け船を出したが今ひとつ理解できなかったようだ。I助教授がうまくフォローしてくれた。

 現代の化学はカバーすべき分野が大変多岐にわたっている現有スタッフの研究分野もそれにあわせて多彩である。環境化学,環境教育は現代化学教育のキーワードである。理科の教師になるには広い知識が要求される。それ以上にごく狭い領域についての深い研究重要な経験となる。この経験の重要さは研究をしたものにしかわからない。

 夕方電話があった。普段ボランティアで協力している移動動物園の仲間からだった。いつもの開催場所が使えなくなるので新しい場所に移る必要があるらしい。時節柄,ボランティア活動も市民権を得て来たが,運営には非常な労力がいるのである。

 今日も一日が過ぎた。妻子と2頭の犬,1匹の猫が待つ家に帰るとしよう...

 さて上の文章のどこがフィクションでどこがノンフィクションであるか。知りたい人はリンクをたどってみよう。


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