物理化学特論 

授業概要


物質の構造には原子構造,分子構造,結晶構造,液体構造等が考えられる。結晶も液体も分子や原子の集合体となって初めて現れる状態であり,後者2つは前者の集合体として初めて認識される構造である。一方,遠赤外線付近を境として,比較的高エネルギー領域の性質は,原子および分子の性質そのものを反映したものであるのに対し,比較的低エネルギー領域で観測される物性は分子や原子の集合体としての性質を反映したものとなる。巨視的性質として現れる現象は多くが後者であり,やはり集合体としての性質に起因する。いずれにしても,原子・分子の挙動とそれらの集合体の性質とは,基本的に異なった現れ方をするので,物質科学の立場からは,両方の性質を同時に記述する必要がある。物理化学特論では,物質の構造と物性の関係について,ミクロおよびマクロな視点から同時に論じる。

授業内容

第1章 イントロダクション
第2章 原子・分子の構造と性質
第3章 原子・分子の集合体の構造と性質